男性の薄毛は多くの方が抱える悩みの一つです!
特にAGA(男性型脱毛症)は成人男性の約30%が経験するとされており、早期対策を検討する方も少なくありません。
近年、天然由来の成分として「ノコギリヤシ」が注目を集めていますが、実際にはどのような効果が期待できるのでしょうか。
本記事では、ノコギリヤシの薄毛への効果について、解説いたしていきます!

ノコギリヤシとは?
ノコギリヤシは、アメリカ南東部を原産とするヤシ科のハーブです!
40cmから1mに渡るノコギリ状のトゲのある葉を持つことからこの名前が付けられました。
古くからアメリカ先住民の間で男性の強壮や利尿をサポートする目的で使用されており、現在でも世界各国で前立腺肥大による排尿障害を中心に、慢性骨盤痛や片頭痛、脱毛などの改善に有用とされています。
有効成分は褐色の完熟果実に含まれる遊離脂肪酸や脂肪酸エステル、ステロール類などです。
ノコギリヤシに期待される薄毛への効果
5αリダクターゼの阻害作用
ノコギリヤシが薄毛に効果的とされる主な理由は、5αリダクターゼという酵素を阻害する作用があるとされているためです。
5αリダクターゼとAGAの関係:
- 男性ホルモン「テストステロン」と5αリダクターゼが結合すると、DHT(ジヒドロテストステロン)が生成される
- DHTが毛根の毛乳頭で男性ホルモン受容体と結合すると脱毛因子が生成される
- この脱毛因子が毛母細胞にダメージを与え、毛根のミニチュア化を引き起こす
- 結果として太くコシのある髪の毛が減少し、細く柔らかい髪の毛が増加する
ノコギリヤシは5αリダクターゼの働きを抑制することで、DHTの生成を抑制し、AGAの進行を緩やかにする効果が期待されています!
炎症物質LTB4の抑制
ノコギリヤシには、炎症物質であるLTB4を抑制する作用もあるとされています。
LTB4は毛包に慢性的な炎症や細胞の自然死を引き起こし、AGAの要因の一つと考えられている物質です!
海外の研究では、ノコギリヤシに含まれる成分「グリコシド」と「リポステロール」の抽出物に、5αリダクターゼの阻害とLTB4の抑制の両方の作用があることが報告されたんです!
研究データから見るノコギリヤシの効果
海外で行われた研究では、軽度から中度のAGA患者100名に2年間ノコギリヤシとフィナステリド(プロペシアの有効成分)の投与を行った結果、以下のような結果が得られました:
治療薬 | 改善率 | 作用部位 |
---|---|---|
ノコギリヤシ | 38% | 頭頂部 |
フィナステリド | 68% | 前頭部・頭頂部 |
この結果から、ノコギリヤシはフィナステリドほど顕著な効果は認められないものの、一定の改善効果が期待されることが分かります。
ノコギリヤシの効果的な使用について
効果が期待できる方
ノコギリヤシの効果が期待できるのは、主に以下のような方です:
AGAの予防を考えている方
- 5αリダクターゼの活性度はAGAの発症率を左右する重要な要素の一つ
- 脱毛症が進行する前段階からノコギリヤシで5αリダクターゼを抑制することで、AGAの発症抑制や発症を遅らせる可能性がある
軽度の薄毛の方
- 初期段階の薄毛には一定の効果が期待できる可能性がある
効果が期待しにくい方
進行したAGAの方
- ノコギリヤシはあくまでサプリメントであるため、ある程度進行したAGAには効果が期待できない可能性がある
- AGAは進行性の脱毛症であるため、早い段階で適切な治療を始めることが重要
ノコギリヤシの注意点と副作用
副作用について
ノコギリヤシには医薬品のような強い効果がない分、重篤な副作用もありませんが、まれに以下のような軽い副作用が生じる可能性があります!
- 頭痛
- 腹痛や下痢
- 吐き気
これらの副作用は、用法・用量を守らず過剰に摂取した場合に起こりやすいので注意しましょう!
薬剤との相互作用
ノコギリヤシと同様に5αリダクターゼの抑制に働く薬剤との併用には注意が必要です。
併用を避けるべき薬剤:
- プロペシア(フィナステリド)
- ザガーロ(デュタステリド)
これらの薬剤と併用すると、必要以上に作用が強まり副作用の発現リスクが高まる可能性があります。
併用可能な薬剤:
- ミノキシジル(頭皮の血流促進に作用するため、ノコギリヤシとの併用に問題なし)
女性・子供の使用について
女性や子供のノコギリヤシの使用は、安全性や副作用が不明確なため推奨されていません。特に以下の方は使用を避けるべきです:
- 妊娠中・授乳中の女性
- 妊娠の可能性のある女性
- 18歳未満の子供
ノコギリヤシにはDHTの生成を抑える作用がありますが、DHTは男子胎児の外性器を発育させるうえで重要なホルモンであるため、胎児や乳児の成長に悪影響を与える可能性があるので注意しましょう!
ノコギリヤシの現状と限界
研究結果の現状
ノコギリヤシの研究は、使用するノコギリヤシ製剤の種類や調査の精密度によって結果が大きく異なります。
実際、米国国立衛生研究所などによるプラセボ(薬効がない偽の薬)を使った調査では、ノコギリヤシ製剤の前立腺肥大への効果が実証されませんでした。
このように、ノコギリヤシの効果についてはまだ不確実な部分が多く、効果を確実に期待できるものではないのが現状なのです!
治療選択の重要性
AGAは進行性かつ完治が難しい症状であるため、症状に気づいたら早い段階で適切な治療を受けることが重要です。
ノコギリヤシはあくまで予防や軽度の症状に対する補助的な位置付けと考えるのが適切でしょう。
まとめ
ノコギリヤシは天然由来の成分として、男性の薄毛予防に一定の効果が期待される成分です。5αリダクターゼの阻害作用により、AGAの進行を緩やかにする可能性がありますが、その効果は医薬品と比較すると限定的です。
ノコギリヤシが適している方:
- AGAの予防を考えている方
- 軽度の薄毛が気になる方
- 医薬品による治療に抵抗がある方
医薬品による治療を検討すべき方:
- 明らかにAGAの症状が進行している方
- より確実な効果を求める方
- 早期に改善したい方
薄毛の悩みを抱えている男性の方は、まず自分の症状の程度を正確に把握しましょう。
ノコギリヤシは選択肢の一つとして検討できますが、症状が進行している場合は、専門医に相談するもの1つの方法です
また、どのような治療法を選択するにしても、基本的な生活習慣の改善と併せて行うことが重要でしょう!