髪の知識

髪の毛が抜ける原因と効果的な対策|専門家が教える健康な髪を取り戻す方法

毎日シャンプーをしたとき、枕に落ちている髪の毛、排水溝に溜まる抜け毛...このような光景に心当たりはありませんか?

髪の毛が抜けるのは自然な現象ですが、過度の抜け毛は多くの方にとって深刻な悩みです。

本記事では、髪の毛が抜ける主な原因と、それを防ぐための効果的な対策について詳しく解説します。

抜け毛に悩む方はもちろん、将来の髪の健康を維持したい方にも役立つ情報をお届けします!

正常な抜け毛とは

まず理解しておきたいのは、髪の毛が抜けること自体は正常な生理現象だということです。

人の頭髪は約10万本あり、毎日50〜100本程度の抜け毛は自然な髪のサイクルの一部です。

髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階を経て、最終的に抜け落ち、新しい髪が生えるサイクルを繰り返しています。

この毛周期(ヘアサイクル)は健康な髪の成長に不可欠なプロセスなのです。

しかし、1日に100本以上の髪の毛が抜ける場合や、髪の量が明らかに減少している場合は、何らかの問題が生じている可能性があります。

髪の毛が抜ける主な原因

1. 遺伝的要因

最も一般的な抜け毛の原因の一つが遺伝です。

男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)と呼ばれる状態は、主に男性ホルモン(DHT)が毛根に作用することで発生します。

女性にも女性型脱毛症(FAGA)として現れることがあります。

遺伝的な抜け毛の特徴:

  • 男性は前頭部や頭頂部から徐々に薄くなる
  • 女性は全体的に髪のボリュームが減少する
  • 20代から始まることもあれば、40代以降に顕著になることもある

2. ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの変化は髪の毛の成長サイクルに大きな影響を与えます。

  • 出産後:女性は出産後、エストロゲンレベルが急激に低下することで、一時的な脱毛(産後脱毛)を経験することがあります
  • 更年期:エストロゲンの減少により、髪の毛が細くなり抜けやすくなります
  • 甲状腺疾患:甲状腺ホルモンの過剰または不足は抜け毛を引き起こす可能性があります
  • ポリシスティックオバリー症候群(PCOS):アンドロゲン(男性ホルモン)の増加が抜け毛を促進することがあります

3. 栄養不足・偏った食生活

髪の毛は体内で最も急速に成長する組織の一つであるため、十分な栄養が不可欠です。以下の栄養素が不足すると抜け毛のリスクが高まります:

  • タンパク質:髪の主成分であるケラチンの合成に必要
  • 鉄分:酸素を運搬し、毛根の健康を維持する
  • 亜鉛:新しい細胞の生成と修復に関与
  • ビタミンD:毛包の健康維持に重要
  • ビオチン(ビタミンB7):髪の成長を促進

極端なダイエットやベジタリアン・ビーガン食を適切に管理していない場合、これらの栄養素が不足しがちになります。

4. ストレス

急性または慢性的なストレスは「休止期脱毛症」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。

強いストレスにより、成長期にある髪の毛が早期に休止期へと移行し、その結果、数ヶ月後に大量の抜け毛が発生します。

ストレスによる抜け毛の特徴:

  • イベントや強いストレス後、2〜3ヶ月遅れて現れることが多い
  • 髪の毛が突然大量に抜ける
  • 適切なストレス管理で通常は回復する

5. 頭皮環境の悪化

頭皮の健康は髪の毛の成長に直接影響します:

  • 脂漏性皮膚炎:頭皮の炎症や過剰な皮脂分泌が抜け毛を引き起こすことがある
  • フケ・かゆみ:頭皮の炎症や感染を示す可能性がある
  • 頭皮の血行不良:栄養素が毛根に十分届かなくなる

6. 不適切なヘアケア習慣

日常のヘアケアが抜け毛を促進していることもあります:

  • 過度の熱スタイリング:ドライヤーやアイロンの高温使用
  • 強いシャンプー:頭皮の自然な油分を過剰に取り除く
  • きつい髪型:ポニーテールやお団子など、常に髪を引っ張る髪型
  • 過度のブラッシング:特に濡れた髪を強くブラッシングする

7. 薬の副作用

以下のような薬剤は副作用として抜け毛を引き起こすことがあります:

  • 降圧剤(ベータ遮断薬など)
  • 抗凝固剤
  • 抗うつ薬
  • 化学療法薬
  • 抗甲状腺薬
  • 一部のホルモン治療薬

8. 疾患

いくつかの疾患は抜け毛と関連しています:

  • 円形脱毛症:自己免疫疾患の一種で、斑状の脱毛が特徴
  • 全身性エリテマトーデス:免疫系が体の組織を攻撃する自己免疫疾患
  • 真菌感染症:頭皮の白癬(水虫の一種)
  • コロナ後遺症:COVID-19感染後に抜け毛が増加することが報告されている

抜け毛を防ぐための日常的な対策

1. 適切なヘアケア習慣

髪の毛の健康を保つための基本的なケア方法:

  • 優しいシャンプー:頭皮にやさしいアミノ酸系シャンプーを選ぶ ※体質によってはNGな場合もあり
  • 適切な洗髪頻度:過度な洗髪は頭皮の乾燥を招く(一般的には1〜2日に1回が適切)
  • タオルドライ:髪を乱暴にこすらず、優しく押さえるように水分を取る
  • ヘアドライヤー:髪から20cm以上離し、中温で乾かす

2. 頭皮マッサージ

定期的な頭皮マッサージには以下のような効果があります:

  • 頭皮の血行促進
  • 老廃物の排出
  • リラクゼーション効果によるストレス軽減

マッサージ方法:

  • 指の腹を使って、円を描くように優しく頭皮をマッサージする
  • 1日5分程度、特に入浴時に行うと効果的
  • 必要に応じてヘアオイルを使用する

3. ストレス管理

ストレスによる抜け毛を防ぐためには:

  • 規則正しい睡眠(7〜8時間)
  • 定期的な運動
  • 瞑想やヨガなどのリラクゼーション法の実践
  • 趣味や楽しみの時間を確保する

4. 適切なヘアスタイル

髪に負担をかけないスタイリング:

  • きつく結ばない
  • ヘアゴムは柔らかいものを選ぶ
  • 編み込みや伸ばしっぱなしのドレッドなど長期間同じ髪型を続けない
  • 熱を使うスタイリングは最小限に抑える

食事と栄養で髪の健康を保つ方法

1. 髪の毛の成長を促進する栄養素

健康な髪を育むために特に重要な栄養素とその食品源:

  • タンパク質:鶏肉、魚、卵、豆腐、レンズ豆
  • 鉄分:赤身の肉、ほうれん草、レバー、豆類
  • 亜鉛:牡蠣、牛肉、カボチャの種、ナッツ類
  • ビタミンA:ニンジン、サツマイモ、ケール、卵黄
  • ビタミンB群(特にビオチン):全粒穀物、卵、ナッツ類、アボカド
  • ビタミンC:柑橘類、イチゴ、ピーマン、ブロッコリー
  • ビタミンD:脂の多い魚、卵黄、強化乳製品、日光浴
  • オメガ3脂肪酸:サーモン、亜麻仁油、チアシード、クルミ

2. バランスの良い食事の例

髪の健康を促進する一日の食事例:

朝食:全粒穀物のシリアルに牛乳、ベリー類とナッツをトッピング

昼食:グリルチキンのサラダ(ほうれん草、アボカド、ナッツ、オリーブオイルドレッシング)

夕食:焼き鮭、蒸し野菜、玄米

おやつ:ヨーグルトとフルーツ、または少量のダークチョコレート

3. 水分摂取の重要性

十分な水分摂取は、栄養素を毛根に届けるために不可欠です:

  • 1日に約2リットルの水を目標にする
  • カフェインや砂糖の多い飲み物は控える
  • ハーブティーも良い選択肢

専門的な治療法と選び方

自己対策で改善が見られない場合は、専門的な治療を検討しましょう:

1. 医療機関での治療

  • 皮膚科・毛髪専門医:原因診断と適切な治療計画の立案
  • AGA治療薬:フィナステリド、デュタステリド(男性)、ミノキシジル(男性・女性)
  • PRP療法:自己血小板血漿を頭皮に注入し、毛根の活性化を促す
  • メソセラピー:栄養素や薬剤を頭皮に直接注入する方法
  • 植毛:自分の毛髪を移植する外科的処置

2. サプリメントや育毛剤

  • 育毛剤:ミノキシジル外用薬、センブリエキス、ガゴメエキスなどを含む製品
  • サプリメント:ビオチン、亜鉛、鉄分、ノコギリヤシなど

医師の指導のもとで使用することをおすすめします。自己判断での利用は効果が限定的な場合や、副作用のリスクがあることを理解しておきましょう。

3. 専門家の選び方

適切な専門家を選ぶポイント:

  • 毛髪専門医または毛髪診療の経験豊富な皮膚科医を選ぶ
  • 実績や症例写真を確認する
  • 無料カウンセリングを活用する
  • 過度な営業や高額な一括契約に注意する
  • 治療の透明性(内容、期間、費用)を確認する

まとめ:健康な髪を維持するために

髪の毛が抜ける原因は多岐にわたりますが、適切な対策を取ることで多くの場合、改善や予防が可能です。

日常生活で心がけたいポイント:

  1. 原因を見極める:抜け毛の原因を特定し、それに合った対策を取る
  2. 日常的なケア:優しいシャンプー、適切なブラッシング、頭皮マッサージを習慣に
  3. バランスの良い食事:髪の健康に必要な栄養素を意識して摂取する
  4. ストレス管理:十分な睡眠、運動、リラクゼーションを心がける
  5. 早期対応:抜け毛が気になり始めたら早めに専門家に相談する

髪の毛の健康は全身の健康状態を反映しています。抜け毛対策は単に見た目の問題だけでなく、全体的な健康管理の一環として捉えることが大切です。

悩みを一人で抱え込まず、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、あなたに合った対策を見つけていきましょう!

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