おはようございます!
ピコロ美容室 カンタですです!
最近、お客さんから
「通販で買ったヘアカラー剤でセルフカラーをしても大丈夫ですか?」
「美容室と市販のカラー剤、どちらが良いのでしょうか?」
というご質問を多くいただきます。
今回は、毛髪の専門知識を交えながら、美容室でのヘアカラーと通販で購入できるセルフカラーについて、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

目次
- ヘアカラーの基礎知識
- 通販で購入できるセルフカラー剤の特徴
- 美容室でのヘアカラーの特徴
- 髪のダメージを最小限に抑える方法
- プロが教える正しいカラー選び
- まとめ
1. ヘアカラーの基礎知識
毛髪の構造とカラーリングのメカニズム
まず、ヘアカラーがどのように髪を染めるのかを理解しましょう。
髪の毛は外側からキューティクル、コルテックス、メデュラという3つの層で構成されています。
ヘアカラーは主にコルテックス層にあるメラニン色素を分解し、新しい色素を入れることで髪色を変化させます。
お寿司でお馴染み”カッパ巻き”に例えると
キューティクル=海苔
コル手クス=しゃり
メデュラ=きゅうり
酸化染料系カラー剤(一般的なヘアカラー)の仕組み:
- アルカリ剤がキューティクル(海苔)を開く
- 過酸化水素がメラニン色素(しゃり部分)を分解(脱色)
- 酸化染料が毛髪内部(しゃり部分)で発色
- 新しい色素が定着
この過程で重要なのは、適切な薬剤選択と正確な塗布技術です。
ヘアカラーの種類と特徴
永久染毛剤(酸化染料)
- 最も一般的なヘアカラー
- 明るくも暗くもできる
- 持続期間:2-3ヶ月
- ダメージ:中の上程度
半永久染毛料(ヘアマニキュア)
- 髪表面をコーティング
- 黒髪は明るくできない
- 持続期間:3-4週間
- ダメージ:ほぼ無し
ヘナカラー(化学染料)入りを含む)
- 黒髪は明るくできない
- 持続:3-4週間
- ダメージ:ほぼ無し
一時染毛料(カラースプレーなど)
- 1回のシャンプーで落ちる
- ダメージ:小程度
脱色剤(ブリーチ)
- メラニン色素のみを分解
- 最もダメージが大きい
2. 通販で購入できるセルフカラー剤の特徴
セルフカラーのメリット
コストパフォーマンス 通販で購入できるヘアカラー剤は、美容室での施術と比較して圧倒的に安価です。
また、美容室で実際に使用されているカラー剤も購入できるでしょう。
1回あたり500円~2,000円程度で済むため、経済的負担が少ないのが最大のメリットです。
時間の自由度 美容室の営業時間や予約に縛られることなく、自分の都合の良い時間にカラーリングができます。
忙しい方や小さなお子様がいる方には特に便利です。
プライバシー 人に見られることなく、リラックスした環境で施術できます。
セルフカラーの課題とリスク
薬剤の選択の難しさ 市販のヘアカラー剤は、様々な髪質や髪色に対応するため、比較的強めの処方になっていることが多いです。
自分の髪質や現在の髪色に最適な薬剤を選ぶのは、専門知識なしには困難です。
また、思った髪色にならなかったという声もききます。
不均一な仕上がり 自分では見えない後頭部や内側の髪への塗布が難しく、色ムラが生じやすくなります。
特に、髪の長い方や毛量の多い方は、均一に塗布することが困難です。
過度なダメージのリスク
- 重複塗布:既にカラーされている部分に再度薬剤を塗布してしまい、過度なダメージを与える
- 放置時間の判断ミス:適切な放置時間を判断できず、過処理や不十分な発色の原因となる
- 頭皮への付着:慣れない施術により、薬剤が頭皮に多く付着し、刺激やかぶれの原因となる
色の予測困難 パッケージの見本色と実際の仕上がりが異なることが多く、特に以下の場合は予想と大きく異なる結果になることがあります:
- 黒髪や暗い髪色の場合
- 前回のカラーが残っている場合
- 白髪の割合が多い場合
3. 美容室でのヘアカラーの特徴
プロフェッショナルな薬剤選択
髪質診断に基づいた薬剤選択 美容室では、お客様の髪質、ダメージレベル、現在の髪色、希望色を総合的に判断し、最適な薬剤を選択します。
- 髪の太さ・硬さ:細い髪、太い髪それぞれに適した処理時間と薬剤濃度
- ダメージレベル:健康毛、軽度ダメージ毛、重度ダメージ毛への対応
- 既存のカラー履歴:前回のカラーとの相性を考慮
- 白髪の割合:白髪の染まりやすさを考慮した調合
サロン専用薬剤の優位性 美容室で使用する薬剤は、一般販売されているものとは異なる特徴があります:
- pH値の調整:髪のダメージを最小限に抑える適切なアルカリ度
- 保護成分の配合:トリートメント成分やケラチン補修成分
- 色素の種類:より自然で深みのある色調を実現する専用色素
- 臭いの軽減:アンモニア臭を抑えた処方
技術力による仕上がりの違い
均一な塗布技術 プロの美容師は長年の経験により、以下の技術を習得しています:
- スライシング技術:髪を適切な厚さで分け取り、根元から毛先まで均一に塗布
- タイムラグ塗布:部位による染まりやすさの違いを考慮した時間差塗布
ダメージ最小化テクニック
- リタッチ技術:新生部(根元)のみに薬剤を塗布し、既染部への重複を避ける
- 毛先保護:ダメージの蓄積した毛先への過度な薬剤付着を防ぐ
美容室ならではのカスタマイズ
オーダーメイドカラー お客様の要望に合わせて、複数の薬剤を調合し、理想の色を作り出します:
- ベースカラー + アクセントカラー
- グラデーションカラー
- ハイライト・ローライト
- 白髪ぼかし技術
4. 髪のダメージを最小限に抑える方法

ダメージの原因と機序
キューティクル(海苔部分)損傷 ヘアカラーに含まれるアルカリ剤は、髪の最外層であるキューティクルを開きます。
この際、キューティクルが過度に開いたり、剥がれたりすることで、髪の内部構造が損傷を受けます。
タンパク質(しゃり部分)の流出 開いたキューティクルから、髪の主成分であるケラチンタンパク質が流出し、髪の強度や弾力性が低下します。
過酸化による損傷 過酸化水素による酸化作用は、メラニン色素だけでなく、髪のタンパク質も同時に酸化し、変性させる可能性があります。
セルフカラーでのダメージ軽減策
もしセルフカラーを行う場合の注意点:
事前準備
- パッチテスト:アレルギー反応の確認(48時間前)
- 髪の状態チェック:過度なダメージ毛への施術は避ける
- 適切な環境:十分な明るさと換気を確保
施術中の注意
- 正確な時間管理:処理時間を厳守
- 均一な塗布:鏡を使用し、見えない部分も確認
アフターケア
- 速やかな洗浄:規定時間後の迅速な洗い流し
- 酸性化:弱酸性シャンプーの使用(あればね!)
- 保湿ケア:トリートメントによる栄養補給(無理にしなくても良い)
5. プロが教える正しいカラー選び
髪質別カラー選択
細毛・軟毛の方
- 低アルカリ薬剤:ダメージを最小限に抑制
- 短時間処理:過処理を避ける
- 保護成分配合:施術中の保護を重視
太毛・硬毛の方
- 適度なアルカリ度:しっかりとした発色のため
- 十分な処理時間:均一な染まりのため
ダメージ毛の方
- 低ダメージ薬剤:マニキュアやカラートリートメント
- 段階的施術:一度に大きな変化を避ける
- 集中ケア:施術前後の徹底したケア
色選択の科学的根拠
色相環理論 補色関係を利用した色選択:
- 黄味消し:紫系色素の使用
- 赤味消し:緑系色素の使用
- オレンジ味消し:青系色素の使用
白髪染めの特殊性
白髪の特徴
- メラニン色素の欠如:色が入りやすい反面、退色も早い
- キューティクルの厚さ:健常毛より薬剤の浸透が困難な場合がある
- 太さの違い:白髪は健常毛より太いことが多い
美容室での白髪染め技術
- グレイカラー専用薬剤:白髪の染まりに特化した処方
- ぼかし技術:自然な仕上がりのための技術
6. 通販カラー剤と美容室カラーの比較
仕上がり品質の比較
色の均一性
- セルフカラー:色ムラが生じやすい、特に後頭部
- 美容室:プロの技術による均一な仕上がり
希望色との一致度
- セルフカラー:パッケージ色との相違が多い
- 美容室:カウンセリングによる希望色の実現
ダメージレベル
- セルフカラー:重複塗布による過度なダメージリスク
- 美容室:計算されたダメージコントロール
安全性の比較
アレルギーリスク
- セルフカラー:パッチテストの軽視、自己判断のリスク
- 美容室:プロによる肌状態チェック、適切な薬剤選択
化学熱傷リスク
- セルフカラー:頭皮への過剰付着、放置時間の誤判断
- 美容室:適切な塗布技術、時間管理
7. 最新のヘアカラー技術とトレンド
サロン専用技術の進歩
オーガニック・ナチュラル系薬剤 化学的ダメージを抑制しながら、自然な仕上がりを実現する薬剤が開発されています:
- 植物由来成分:ヘナ、インディゴなどの天然色素
- アミノ酸系薬剤:髪と同じ成分での染色
- 低アンモニア処方:刺激臭と髪への負担を軽減
8. 実際のお客様事例
事例1:セルフカラー失敗からの回復
お客様の状況 30代女性、通販で購入したセルフカラーを3ヶ月間継続使用。
希望していた明るいブラウンにならず、髪全体がオレンジ色に。
毛先のダメージも深刻。
美容室での対応
- 髪質診断:ダメージレベルの正確な把握
- 色素除去:適切な脱色による色調整
- 集中ケア:施術前後のトリートメントケア
結果 希望していた自然なブラウンになりました!
事例2:白髪染めの改善
お客様の状況 60代女性、市販の白髪染めを月2回使用。根元の白髪は染まるが、全体的に暗くなりすぎ、髪も硬くなった感じがするとのご相談。
美容室での対応
- 白髪率の正確な把握:30%程度の白髪を確認
- 専用薬剤の選択:白髪染め専用の低ダメージ薬剤
- ハイライト:ダメージを考慮して、部分的にハイライト
結果 自然な明るさを保ちながら白髪をカバー。
「若く見えるようになった」と大変喜んでいただけました!
9. よくある質問とプロからの回答
Q1: 通販のカラー剤は本当に安全ですか?
A1: 通販で販売されているカラー剤も、薬事法に基づいて製造・販売されているため、基本的には安全です。
ただし、以下の点にご注意ください:
- パッチテスト:必ず48時間前に実施
- 使用期限:開封後は早めに使用
- 保存環境:高温多湿を避けて保存
- 髪の状態:過度にダメージした髪への使用は避ける
Q2: 美容室と同じような仕上がりを自宅で実現することは可能ですか?
A2: 完全に同じ仕上がりを実現するのは困難ですが、以下の点を注意することで、ある程度の品質向上は可能です:
- 適切な薬剤選択:髪質と希望色に合った製品選び
- 丁寧な塗布:時間をかけて均一に塗布
- 正確な時間管理:説明書の時間を厳守
- アフターケア:専用トリートメントの使用
ただし、プロの技術と経験、サロン専用薬剤による仕上がりには及ばないのが現実です。
Q3: どのくらいの頻度で美容室に行くべきですか?
A3: 個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです:
通常のカラー
- 根元のリタッチ:3-6週間に1回
- 全体カラー:2-3ヶ月に1回
白髪染め
- 根元のリタッチ:3-4週間に1回
- 全体カラー:3ヶ月に1回
頻度を適切に保つことで、髪へのダメージを最小限に抑え、美しい髪色を維持できます。
Q4: カラー後のケア方法を教えてください
A4: カラー後のケアは色持ちと髪の健康に直結します:
当日のケア
- 24時間は洗髪を避ける:色素の定着を促進
- 高温を避ける:ドライヤーの温度を下げる
- 摩擦を避ける:タオルドライは優しく
日常ケア
- カラー専用シャンプー:色落ちを防ぐ専用製品
- 定期的なトリートメント:週2-3回の集中ケア
- UV対策:紫外線による退色防止
- 熱から保護:ヘアアイロン前の保護剤使用
10. まとめ:賢いヘアカラー選択のために
セルフカラーが適している方
- 経済性を最重視する方
- 頻繁な色変更を楽しみたい方
- 時間の制約が大きい方
- 軽微な色調整のみを希望する方
ただし、以下の条件が必須です:
- 正しい知識の習得
- 適切な道具の準備
- 十分な時間の確保
- アフターケアの徹底
美容室が適している方
- 仕上がり品質を重視する方
- 髪の健康を大切にする方
- 希望色の実現を確実にしたい方
- 白髪染めや大幅な色変更を希望する方
- ダメージ毛の方
私たちピコロ美容室からのメッセージ
通販で購入できるセルフカラー剤の品質は年々向上しており、適切に使用すれば一定の効果を得ることは可能です。
しかし、美容室でのプロフェッショナルな施術には、以下の価値があります:
- 個別診断:一人ひとりの髪質に合わせた最適な施術
- 技術力:長年の経験による確実な仕上がり
- 安全性:適切な薬剤選択と施術による安全確保
- アフターサポート:継続的な髪の健康管理
**髪は一度ダメージを受けると元に戻りません。**だからこそ、大切な髪を守りながら美しいカラーを楽しんでいただきたいのです。
セルフカラーと美容室、それぞれにメリットがありますが、髪の健康と美しい仕上がりを考えるなら、プロの技術と知識を活用することを強くお勧めします。
ピコロ美容室では、あなたの髪が持つ本来の美しさを最大限に引き出し、理想のヘアカラーを実現するお手伝いをさせていただきます!
店舗情報
美容室ピコロドゥ
住所:札幌市豊平区平岸3条7丁目1-29
TEL:011-842-3231
美容室ピコロロード
住所:札幌市中央区南13条西7丁目3-10
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