美しい髪を保つために欠かせない毎日のシャンプー。
しかし、ドラッグストアや美容室には数え切れないほどの商品が並んでおり、
「どれを選んだらいいの?」
と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?!
実は、シャンプー選びで最も重要なのは「界面活性剤(洗剤)」の種類を理解することです。
今回は、髪質や頭皮の状態に合わせた最適なシャンプーの見つけ方を、化粧品成分検定1級保持(私)が詳しく解説していきます!

なぜシャンプー選びが重要なのか?
髪の健康状態は、使用するシャンプーによって大きく左右されます。
間違ったシャンプーを使い続けると、以下のようなトラブルが起こる可能性があります:
- 頭皮の乾燥やフケの発生
- 髪のパサつきや切れ毛
- カラーの色落ちが早くなる
- 頭皮のかゆみや炎症
逆に、自分に合ったシャンプーを使うことで、髪本来の美しさを引き出し、健やかな頭皮環境を維持することができるのです。
シャンプー選びの基本〜2つの重要ポイント〜
ポイント1:界面活性剤の働きを理解しよう
界面活性剤とは、水と油分を結びつける働きを持つ成分のことです。
頭皮の皮脂汚れやスタイリング剤などの油性の汚れを、水で洗い流せるようにする重要な役割を担っています。
界面活性剤には洗浄力の強いものから優しいものまで幅広い種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
重要なのは「洗浄力が強い=悪い」ではなく、自分の髪質や頭皮の状態に適した洗浄力を選ぶことです。
ポイント2:成分表示の読み方をマスターしよう
シャンプーボトルの裏面には、配合されている全ての成分が記載されています。
これは薬事法により義務付けられた「全成分表示」です。
成分は配合量の多い順に記載されているため、上位2〜5番目までの成分をチェックすることで、そのシャンプーの主要な界面活性剤を把握できます。
※1位はほとんど水(精製水)ね!
多くのシャンプーは複数の界面活性剤を組み合わせているので、メイン成分と補助成分の両方を確認しましょう。
界面活性剤の種類別特徴ガイド
洗浄力の強い順に、代表的な界面活性剤をご紹介します。
【洗浄力:最強】硫酸系(高級アルコール系)
特徴
- 非常に強い洗浄力と優れた泡立ち
- さっぱりとした洗い上がり
- コストパフォーマンスが良い
- 市販シャンプーの約7割で使用
適している人
- 皮脂分泌が多い方
- 整髪料を頻繁に使用する方
- しっかりとした洗浄感を求める方
注意点 洗浄力が強すぎて、乾燥肌や敏感肌の方には刺激となる場合があります。
主な成分名
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸アンモニウム
【洗浄力:強】オレフィン系
特徴
- 硫酸系に匹敵する高い洗浄力
- 泡切れとすすぎ性に優れる
- 硫酸系の代替として注目される成分
適している人
- 硫酸系シャンプーが合わない方
- しっかりとした洗浄力を求める方
注意点 洗浄後に髪のパサつきや頭皮のつっぱり感を感じる場合があります。
主な成分名
- オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
【洗浄力:中強】石鹸系
特徴
- 適度な洗浄力と低刺激性のバランスが良い
- 豊かでクリーミーな泡立ち
- 環境に優しい天然由来成分
- さっぱりとした洗い上がり
適している人
- 自然派志向の方
- 程よい洗浄力を求める方
注意点 洗浄後のしっとり感が少なく、乾燥毛の方は軋みを感じる場合があります。
主な成分名
- ラウレス-4カルボン酸Na
- ラウレス-6カルボン酸Na
【洗浄力:中】アミノ酸系
特徴
- マイルドな洗浄力でしっとりとした仕上がり
- 髪や頭皮の潤いを適度に保持
- 敏感肌やアトピー肌にも優しい
- サロン品質のシャンプーに多用
適している人
- 乾燥肌・敏感肌の方
- ダメージヘアの方
- しっとりとした仕上がりを好む方
洗浄力の強さ(アミノ酸系内での比較)
- グリシン系(強め)
- アラニン系(中程度)
- グルタミン酸系(優しい)
主な成分名
- グルタミン酸系:ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na
- アラニン系:ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンNa
- グリシン系:ココイルグリシンK
【洗浄力:弱】ベタイン系
特徴
- 最も優しい洗浄力
- 低刺激で肌への負担が少ない
- ベビーシャンプーにも使用される安全性
- 他の洗浄成分の刺激を緩和する効果
適している人
- 極度の敏感肌の方
- 小さなお子様
- 頭皮トラブルを抱えている方
主な成分名
- コカミドプロピルベタイン
- ラウラミドプロピルベタイン
- ラウリルベタイン
髪質・頭皮タイプ別おすすめシャンプー
脂性肌・脂性毛の方
→ 硫酸系、オレフィン系がおすすめ:余分な皮脂をしっかり除去し、さっぱりとした洗い上がりを実現
普通肌・普通毛の方
→ 石鹸系、アミノ酸系(グリシン・アラニン系)がおすすめ:適度な洗浄力で髪と頭皮のバランスを保持
乾燥肌・乾燥毛の方
→ アミノ酸系(グルタミン酸系)、ベタイン系がおすすめ:必要な潤いを残しながら優しく洗浄
敏感肌・アトピー肌の方
→ ベタイン系、アミノ酸系(グルタミン酸系)がおすすめ:刺激を最小限に抑えた優しい洗浄
カラー・パーマヘアの方
→ アミノ酸系、ベタイン系がおすすめ:ダメージを補修しながら色持ちを良くする
シャンプー選びの実践テクニック
1. まずは自分の髪質・頭皮タイプを把握
- 洗髪後の頭皮の状態(べたつき・乾燥)をチェック
- 髪の毛の太さや癖の有無を確認
- 現在使用中のシャンプーでの満足度を評価
2. 成分表示を必ずチェック
- 水の次に記載されている2〜3個の成分を確認
- 複数の界面活性剤が使用されている場合は、主成分を把握
3. 段階的に変えてみる
急に大きく洗浄力を変えるのではなく、段階的に調整することで髪と頭皮への負担を軽減
4. 季節や髪の状態に合わせて調整
夏場は洗浄力強め、冬場は優しめなど、柔軟に使い分けることも大切
よくある質問と回答
Q: ノンシリコンシャンプーの方が良いの?
A: シリコンの有無より、界面活性剤の種類の方が重要です。髪質に合っていれば、シリコン入りでも問題ありません。
Q: 高価なシャンプーほど良いの?
A: 価格と品質は必ずしも比例しません。成分をチェックして、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
Q: 毎日シャンプーしても大丈夫?
A: 適切な洗浄力のシャンプーを使用していれば、毎日の洗髪も問題ありません。
まとめ:理想の髪は正しいシャンプー選びから
界面活性剤について正しく理解することで、数ある商品の中から自分にピッタリのシャンプーを見つけることができます。
重要なポイント
- 界面活性剤の種類と特徴を理解する
- 自分の髪質・頭皮タイプを把握する
- 成分表示をチェックする習慣をつける
- 季節や髪の状態に合わせて調整する
美しく健康な髪は一日では作れませんが、適切なシャンプー選びから始めることで、確実に理想の髪へと近づけるはずです。ぜひこの記事を参考に、あなたにとって最適なシャンプーを見つけてください。
髪や頭皮にトラブルがある場合は、皮膚科医や専門家にご相談することをおすすめします!
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